2020年1月、大阪府大阪市は特区民泊で相次ぐ苦情問い合わせを受けて、民泊運営に伴う住民説明会の義務とする条例改正の方針を固めました。
以前は住民説明会の開催は義務化されておらず、民泊オーナー、または民泊運営代行業者の任意でしたが、この義務化で開催が必須となります。
この変化が大阪の特区民泊にどのような影響を及ぼすのか、この記事では概要の解説と弊社の見解を交えながらお話していきます。
これから特区民泊の認可で民泊を始めようと考えている大阪の方々の参考になるようにお話していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
改正以前の特区民泊の周知方法
改正以前の大阪の特区民泊は冒頭でもお話した通り、住民説明会を行う必要はなく、近隣住民への個別訪問や上の画像のような書面を配ることで周知を行っていました。
- 施設所在地
- 事業者
- 住宅宿泊管理業者
- 緊急連絡先
- 当該書面の問い合わせ先
- 管理方法
- 騒音の配慮やゴミの処理、喫煙方法などの宿泊者に説明する事項
などといった近隣住民に伝えるべき事項が揃った書面で周知し、実施したという記録を残せば民泊をスタートさせることができました。
あくまで「周知した」という事実があればよかったので、住民が合意を得る必要はなかったのです。
条例改正後の周知方法
条例改正後、以前のように事前に書面を配布したうえで、住民説明会を行う義務が追加されます。
書面で周知して民泊スタートではなく、説明会で住民の合意を得なければならなくなったので、スタートまでの期間が長くなるとともに、ハードルもまた上がります。
説明会の内容としては、書面にある各事項の詳細な説明、苦情などの対処についての質疑応答がメインとなります。
質疑応答の後、住民からの反対がなければ、晴れて民泊事業開始といった流れですね。
逆に言ってしまえば、住民の不安を払拭できず合意が得られなかった場合は民泊の運営ができません。
せっかく投資したお金も収益も入ってきませんので、しっかりと説明できるように準備をしましょう。
条例改正に至った理由
条例改正に至った理由は冒頭でもお話した通り、特区民泊に対する苦情が殺到したことが原因です。
苦情の問い合わせ先や苦情への対処に関する伝達が不十分で、市役所に問い合わせが集まってしまったのだと考えられます。
かねてより民泊利用者の騒音やゴミなどの問題はAirbnbが上陸して民泊が日本で利用され始めた頃からありましたが、これらの問題を防止するために、民泊事業者に説明責任をもたせたというわけですね。
条例改正による民泊事業者への影響
住民説明会の義務化による民泊事業者への影響として、民泊事業者の説明義務が発生するということが挙げられます。
説明会を開催するにあたって、民泊に関する苦情やゴミ処分方法、緊急時に誰が責任を持つのかという説明で近隣住民が安心して暮らせることを保証しなければなりません。
場合によってはすんなりと民泊を始められるかもしれませんが、全員を納得させるのに苦労するときも少なからずあります。
押し負けてしまってはいつまで経っても民泊を始めることができませんので、しっかりと準備をするか、民泊運営代行業者に任せましょう。
特に完全代行を行っている業者は申請から近隣住民への周知、運営開始までのノウハウも持ち合わせていますので、しっかりと対応してくれます。
ぜひご検討ください。
これからの大阪は民泊事業者と近隣住民の相互理解が重要になってくる
ここまで大阪の条例改正と民泊事業者への影響についてお話してきました。
条例改正によって住民説明会の義務化が為されることにより、近隣の方々の合意を得る必要が出てきました。
なかなか手間だとお考えの方々もいらっしゃるかもしれませんが、これは民泊事業者と近隣住民の共存のために必要なことです。
何故なら特区民泊は今も増え続けており、そのほとんどが大阪市に集中しているからです。
特区民泊の認可物件は全国で1万件以上存在しており、そのうち90%以上が大阪市の認可物件です。
約9,000もの民泊が集まれば苦情などの問題も増えてきますし、何かしらの施策を取らなければ統制が取れなくなってしまいます。
なので、これから民泊を始めようと考えている方は面倒だとは思わずにしっかりと近隣住民の方々に説明をしてあげてください。
「ちゃんと説明できるか不安……」
「納得させる自信がない……」
という方は完全代行業者に依頼していただければ全力でサポートいたしますので、ぜひご利用をご検討ください。