民泊の許可

365日運営できる!?旅館業法の許可申請の流れ・必要な書類を解説

2020年2月20日

民泊運営には3つの法律の許可を受けなければいけないというのは、この記事を開いてくださった方ならばご存知だと思います。

既に民泊新法や特区民泊を利用して運営している方もいらっしゃると思いますが、皆さんはこの3つの法律の中で1番収益が上がりやすい法律がどれかご存知でしょうか?

正解は旅館業法です。

この法律の許可であれば、民泊新法の「年間180日しか営業できない」や特区民泊の「最低宿泊日数が2泊3日から」という制約が一切なく、年間無休で営業することができます。

なので、旅館業法を取得すれば稼働率を上げ、さらに収益をアップできる可能性が出てきます。

期待値が非常に高いわけです。

たとえ民泊でも、最終的には「簡易宿所」という業種で許可を取得するのが好ましいです。

しかし、旅館業法は必要書類や営業開始までの行程が多く、複雑なのが難点です。

ややこしいなと思って手を出すのを止めたという方もいらっしゃるはずです。

なので、この記事では、

  • 旅館業法の許可に必要な基準
  • 許可申請の流れ
  • 許可申請に必要な書類

についてお話して、あなたを旅館業法の許可取得への導きます。

旅館業法を取得し営業可能日数を増やして、さらに収益を伸ばしていきたい人はぜひ参考にしてみてください。

旅館業法の取得にクリア必須な「構造設備基準」


最初に簡易宿所の許可を取得するうえで最低限必要な物件の条件についてお話します。

この条件をクリアしていなければ、そもそも許可申請を勧めることができないからです。

ですので、必ずお読みになって、ご自身の物件が旅館業法の取得ができるかどうかをご確認ください。

さて、この条件は「構造設備基準」といい、以下の全6つの項目から成ります。

  • 客室の延床面積は、33㎡以上であること(定員10名未満の小規模な簡易宿所の場合は3.3㎡×人数分の床面積でOK)
  • 階層式寝台を有する場合には、上段と下段の間隔は、おおむね1m以上であること
  • 適当な換気、採光、照明、防湿及び排水の設備を有すること
  • 当該施設に近接して公衆浴場がある等入浴に支障をきたさないと認められる場合を除き、宿泊者の需要を満たすことができる規模の入浴設備を有すること
  • 宿泊者の需要を満たすことができる適当な規模の洗面設備を有すること
  • 適当な数の便所を有すること
  • その他都道府県が条例で定める構造設備の基準に適合すること

ホテル業や旅館業で許可を取る場合は必要客室数などが変わりますが、簡易宿所の場合はそのような制限はありません。

また、文面に出てくる「宿泊者の重要を満たすことができる」という表現は、要するに宿泊者が簡易宿所で日常的な生活を送ることができるレベルを指しています。

あなたが日常生活を送るのに支障のない照明の明るさ、お風呂や洗面所をイメージしていただければ大丈夫です。

構造設備基準で注意すべきなのは、トイレの数です。

自治体によりますが、トイレの数は男女別で最低限2つ必要な地域があります。

さらに、階数が複数の場合はその階の収容人数によって変化します。

中にはトイレは1つあればいいという自治体もありますが、詳しくはあなたが簡易宿所を運営する自治体へお問い合わせください。

必要なトイレによってはマンションの一室での簡易宿所運営はできなくなります。

旅館業法で簡易宿所を運営できる地域


簡易宿所における「構造設備基準」についてお話したところで、次にあなたの民泊物件が簡易宿所の許可を得られる地域にあるかについてお話します。

民泊新法、特区民泊とは違い、物件の用途が「住居」から「ホテル・旅館」に変更する必要がありますので、場所によっては簡易宿所を運営できない場合があります。

しっかりと確認しておきましょう。

用途地域を必ず確認!

まずは用途地域についてです。

上でも少しお話しましたが、民泊新法、特区民泊から簡易宿所に変更すると、用途が「ホテル・旅館」に変わりますので、運営できない用途地域がぐっと増えます

運営できなくなる地域は以下の通りです。

用途変更で運営できなくなる地域

  • 第一種低層住居専用地域
  • 第二種低層住居専用地域
  • 第一種中高層住居専用地域
  • 第ニ種中高層住居専用地域

この4つの地域では運営ができない、あるいは簡易宿所に変更ができませんので、予め自治体に問い合わせて確認するようにしましょう。

周辺施設の確認!

既にほかの法律下で民泊を運営している方ならばクリアしていると思いますが、周辺にある施設によっては簡易宿所の運営ができない場合があります。

旅館業法の条文にはこのような記述があります。

第三条
3 第一項の許可の申請に係る施設の設置場所が、次に掲げる施設の敷地(これらの用に供するものと決定した土地を含む。以下同じ。)の周囲おおむね百メートルの区域内にある場合において、その設置によつて当該施設の清純な施設環境が著しく害されるおそれがあると認めるときも、第二項と同様とする。

一 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する学校(大学を除くものとし、次項において「第一条学校」という。)及び就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(平成十八年法律第七十七号)第二条第七項に規定する幼保連携型認定こども園(以下この条において「幼保連携型認定こども園」という。)

二 児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第七条第一項に規定する児童福祉施設(幼保連携型認定こども園を除くものとし、以下単に「児童福祉施設」という。)

三 社会教育法(昭和二十四年法律第二百七号)第二条に規定する社会教育に関する施設その他の施設で、前二号に掲げる施設に類するものとして都道府県(保健所を設置する市又は特別区にあつては、市又は特別区。以下同じ。)の条例で定めるもの
引用:旅館業法条文

つまり、大学を除いた学校や幼稚園、児童福祉施設、社会教育施設の周囲100m以内の範囲では運営が停止になる恐れがあるということです。

「清純な施設環境が著しく害されるおそれがあると認めるとき」とあり、よほど騒音などのトラブルを出さなければ停止されないように書かれていますが、地域によっては前もって運営を制限している場合があるので要注意です。

旅館業法の許可を取得するまでの流れ

  • 構造設備基準
  • 用途地域や周辺施設の確認

この2つの確認を終えて初めて許可申請を始めることができます。

早速、許可申請の手順を見ていきましょう。
行程は全部で4つあります。

  • 事前相談
  • 簡易宿所の運用や運営方法についての打ち合わせ
  • 許可申請
  • 施設検査
  • 許可

それぞれどのようなものなのかを解説していきます。

1.事前相談


事前相談では、前の章でお話したような構造設備基準と周辺施設を鑑みて、その物件で簡易宿所ができるかどうかを判断してもらいます。

周辺見取り図物件の図面が必要になりますので、必ず持参しましょう。

周辺見取り図は保健所などにも雛型がありませんので、ご自身で作成する必要があります。

グーグルマップなどのアプリでの提出はNGになる場合が多いです。

ですので、少し手間ではありますが、半径300~400mの範囲にある施設の建物名、店舗名が把握できる地図を用意しましょう。

また、前の章でお話したことを予め確認しておくと、事前相談がスムーズに進みますのでぜひ参考にしてみてください。

2.簡易宿所の運用や運営方法についての打ち合わせ

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事前相談を終えたら運用や運営方法について書類を提出し打ち合わせを行う行程に入ります。

  • どのようにゲストを迎え入れるのか
  • 緊急時の駆け付けはどのように行うのか
  • 駆け付け場所は簡易宿所から10分以内に到着できるところにあるのか

など詳細な運用方法を保健所に提示しなければなりません。
正直な話、この段階が1番手間がかかる場面です。

まだ運営を開始していない簡易宿所の運営をイメージして打ち合わせをしなければならないので、きちんと回答を用意しておきましょう。

3.許可申請


打ち合わせと並行して、許可申請も進んでいきます。

この行程で提出しなければならない書類は全部で5つです。

  • 旅館業許可申請書
  • 欠格事由に関する申告書
  • 構造設備の概要
  • 登記事項証明書(法人の場合)
  • 定款または寄附行為の写し(法人の場合)

詳しい書類の内容については後述していますので、ぜひ読み進めてみてください。

非常に数が多く、全て集めるのは一苦労ですが、収益をさらに上げることができる機会です。

根気強く集めていきましょう。

4.施設検査


施設が本当に構造施設基準に適合しているのかを確認するために保健所職員の立ち入り検査が行われます。

前もって構造設備基準を遵守した物件であればそれほど苦労する行程ではありません。

立ち入りまでに工事を終わらせ、さくっと許可をもらいましょう。

5.許可

立ち入り検査をクリアすれば、いよいよ簡易宿所の運営が開始できます。

この1~4までの行程をクリアするまでにかかる期間は自治体にもよりますが、大体数週間~1か月ぐらいを見積もっていただければいいと思います。

旅館業法の許可を取得するために必要な書類を解説!


許可申請の流れをご理解いただいたところで、節々に登場した必要書類について解説していきます。

書類が必要な行程は、

  • 事前相談
  • 許可申請

の2つでしたので、それぞれに分けて区分するとこのようになります。

事前相談の際に必要な書類

  • 付近周辺見取り図
  • 建物配置図
  • 各階平面(積算)図・立面図
  • 積算図

許可申請の際に必要な書類

  • 旅館業許可申請書
  • 登記事項証明書(法人の場合)
  • 定款または寄附行為の写し(法人の場合)
  • 申告書
  • 構造設備の概要

具体的な記述内容や重要なポイントについてお話していきます。

事前相談の際に必要な書類

事前相談では主に物件の図面や周辺施設の見取り図が必要になります。

許可申請書などの本格的な書類を作成する前に、本当にその物件で簡易宿所が可能なのかを確認する必要があるわけですね。
ですので、不動産会社などに問い合わせて、できる限り図面を集められるようにしましょう。

付近周辺見取り図

物件の周囲300~400m以内の施設や店舗の具体名、建物名が記載してある見取り図が必要です。

雛型はありませんので、ご自身で用意するしかありません。
グーグルマップなどの地図アプリではいけない場合が多いので、必ずご自身で書くことをオススメします。

建物配置図

建物を俯瞰して、接道や隣地との位置関係を示したものです。

既に建てられている物件ならば、竣工時の図面資料に記載があるはずですので、探して提出しましょう。

各階平面(積算)図・立面図などの図面

一般的な平面図に寸法を書き足したのが積算図、東西南北の4方から見た図面を立面図といいます。
立面図は見る方向によって正面図側面図ともいいます。

手書きでも問題はありませんが、最終的には保健所職員が立ち入りで寸法をするため面積が異なってきてしまう可能性があります。

既に平面図がある場合は、迷わずそちらを提出しましょう。

立面図に関しては、その物件の窓や玄関の位置を確認する際に必須の書類です。

素人が作成するのは至難の業ですので、建築士などのプロフェッショナルにお願いするのが無難です。

また、自治体によっては、水道・ガスの配管図や照明の配置図などが必要になる場合がありますので、申請の際に必ず確認しましょう。

許可申請の際に必要な書類

旅館業許可申請書

その名の通り、旅館業法に許可申請を申し込むための書類です。
これがなければ始まりません。

保健所の窓口やHPで貰えるので、事前相談の帰りなどに受け取っておきましょう。

必要事項は、

  • 施設の名称
  • 施設の所在地
  • 営業種別(この記事の場合は簡易宿所)
  • 管理者氏名(施設に常駐する方の氏名)
  • 申請者の住所、氏名、電話番号

の5つとなっています。

申請者の押印はなくて大丈夫です。

構造設備の概要

収容人数、客室面積、トイレの数、浴室の数など、旅館業法の要件に係る記入が多い書類になります。

旅館業法の許可申請書にはない重要な項目が多いのが特徴です。

こちらも保健所の窓口」に雛型がありますので、事前相談の帰りなどに受け取っておきましょう。

登記事項証明書(法人の場合)

法人の場合は法務局にて謄本を受け取ってください。受け取る際に600円かかります。

定款(法人の場合)

登記事項証明書ともに定款も提出します。法人の目的は旅館業や簡易宿泊営業などの記述がなくても大丈夫です。

申告書

法人であれば役員、個人であれば申告者自身が旅館業法上の欠格事由に該当していないことを自己申告する書類です。

欠格事由は旅館業法によると以下の通りです。

第三条
2 都道府県知事は、許可の申請があつた場合において、その申請に係る施設の構造設備が政令で定める基準に適合しないと認めるとき当該施設の設置場所が公衆衛生上不適当であると認めるとき、又は申請者が次の各号の一に該当するときは、同項の許可を与えないことができる。
一 この法律又はこの法律に基く処分に違反して刑に処せられ、その執行を終り、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して三年を経過していない者

二 第八条の規定により許可を取り消され、取消の日から起算して三年を経過していない者

※第八条 
都道府県知事は、営業者が、この法律若しくはこの法律に基づく処分に違反したとき、又は第三条第二項第三号に該当するに至つたときは、同条第一項の許可を取り消し、又は期間を定めて営業の停止を命ずることができる。営業者(営業者が法人である場合におけるその代表者を含む。)又はその代理人、使用人その他の従業者が、当該営業に関し次に掲げる罪を犯したときも、同様とする。
一 刑法(明治四十年法律第四十五号)第百七十四条、第百七十五条又は第百八十二条の罪
二 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和二十三年法律第百二十二号)に規定する罪(同法第二条第四項の接待飲食等営業及び同条第十一項の特定遊興飲食店営業に関するものに限る。)
三 売春防止法(昭和三十一年法律第百十八号)第二章に規定する罪
四 児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(平成十一年法律第五十二号)第二章に規定する罪

三 法人であつて、その業務を行う役員のうちに前二号の一に該当する者があるもの
引用:旅館業法条文

一番最初に取り掛かるべき、時間と手間がかかる行程はコレ!

旅館業法の許可申請の流れ、必要書類についてお話してきました。

どのようなことをやるのか、どんなものが必要になるのかはご理解いただけたかと思います。

そして、この一連の流れで1番手間がかかる行程は「運用方法の打ち合わせ」と「必要書類集め」だということもわかっていただけたと思います。

打ち合わせはゲストをどのように出迎えるのか、駆け付け対応は如何にして行うのかなど、運用に関する細かい対処まで保健所に説明することになりますので、事前に考えておく必要があります。

ある程度民泊に慣れている方であればさほどの問題にはなりませんが、初めて民泊をされる方の場合は非常に苦戦する行程です。

ここが旅館業法の許可取得は難しいと言われる所以です。

また、必要な書類も非常に多く、集めるのに苦労します。

不動産会社や建築士など、様々な方向からかき集める必要がありますからね。

書類集めだけで数週間かかってしまうことも多くあります。

ですので、旅館業法の許可を取得しようと考えている方は事前にこの2つの事項は前もって準備しておくことを強くオススメします。

旅館業法の許可申請は正直面倒!でもリターンは非常に大きい


ここまで、旅館業法の許可申請の流れと必要書類についてまとめてきました。

1度まとめておきましょう。

  • 旅館業法は構造設備基準という6つの項目をクリアする必要がある
  • 事前相談をする前に用途地域周辺地域の確認は行っておきましょう
  • 事前相談の後、書類提出保健所の立ち入り検査を経て運営開始
  • ただ、必要書類の多さや、申請前の打ち合わせが大きな難関

この4つを押さえておけば、許可申請で困ることはありません。

行程や必要なものが多く、手の出しづらいイメージですが、1度申し上げた通り旅館業法は民泊新法や特区民泊とは違い、1年中好きなように稼働させることができる許可ですので、収益が上がりやすいです。

なので、ご自身の民泊がある程度安定してきた際はぜひ簡易宿所での運営をご検討ください。

「こんなの1人じゃ面倒くさいなぁ」

という方は、BCM株式会社にご相談ください。

弊社は1700件以上の民泊運営実績があり、その中には旅館業法の許可申請から運営まで携わった物件も多くあります。

許可申請に関しての経験と自信がありますので、ぜひお問合せください。

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