民泊の許可

民泊運営に必須な消防法令適合通知書の取得の流れと必要書類を解説

2020年2月21日

民泊では、宿泊客の安全を守り、不安のない生活を送ってもらうために、消防庁の監修した消防設備の設置が必須となっています。

これは旅館業法特区民泊では、消防法令適合通知書(以下、適合書)という書類の提出が義務付けられています。

民泊新法では条例で提出を義務付ける記述はありませんが、消防法令に適合していることを担保するために、提出を義務付けている自治体が多くあります。

これから民泊をやろうとしていて、今書類集めの段階にいる方ならば、見かけたことのある名称だと思います。

ですが、名称だけ聞いても何にどのように適合したのかがわからないし、どうやって消防設備を整えていけばいいかわからない方も多いはずです。

ですので今回は、この適合書の交付までの流れと申請にかかる時間、交付申請に必要な書類についてお話して、皆さんをサポートいたします。

今民泊の許可申請の真っ最中だという方はぜひお読みになって、適合書の取得をスムーズにしましょう。

消防法令適合通知書とは?


まずはこの適合書とはどのようなものなのかについてお話していきましょう。

消防法令適合通知書とは、保健所に宿泊施設の許可申請をする際、宿泊客の安全を確保できる十分な書房設備が揃っていることを証明する書類です。

保健所では消防設備の指示は管轄外ということになっていますので、各自治体の消防署から発行される適合書を見て消防設備が十分であるかを判断しているわけです。

適合書はどの旅館業法民泊新法特区民泊とすべての宿泊施設に係る法律で必須となっており、民泊を運営したい方にとって避けては通れないものとなっています。

消防法令適合通知書の交付までの流れ

では、適合書交付の流れはどのように進んでいくのでしょうか?

ただでさえ、民泊の許可や届出では必要な書類が多いのに、適合書だけで時間は掛けられません。

ですが、交付までの大まかな流れと知っておくべき知識を覚えておけば比較的スムーズに申請を進めることができます。

許可や届出の取得を計画的に進めることができるようになりますので、ぜひ読み進めて、頭に入れておいてください。

事前相談


まずはあなたの自治体の消防署に問い合わせて事前相談をします。

このとき、民泊を行う物件の立面図平面図建物配置図を持参しましょう。

そもそも事前相談はその物件が民泊運営を行える水準に必要な消防設備を見積もるために行うものなので、図面がないと意味がありません。

また、消防署にとっても現在の物件の用途や設備状況を確認しなければならないため、図面は忘れずに持っていきましょう。

消防署の指導に従って、不足している消防設備を揃える


物件の床面積や用途、元々設置してある消防設備によって掛かる費用が大きく変わるため、一概に相場というものが提示しにくいのですが、2階戸建て58㎡の物件で1から消防設備を揃えるとなると350万円ほどの費用がかかります。

非常に高い費用が掛かってしまいますので、手続きの準備だけではなく、お金の方も準備が必要です。

消防法令適合通知書の交付申請


消防署の指導の下で設備を揃えたら、いよいよ交付申請が始まります。

交付申請書はもちろんのこと、事前相談の際にも使用した物件の図面と消防設備を設置したうえでの配置図を添付するかたちで提出する必要があります。

自治体、または施設の収容人数によっては、防火対象物使用開始届出書などの追加の書類が必要になることがありますので、消防署の指示に従って作成するようにしましょう。

消防署の書類審査・立入検査


申請書類を提出したら、消防署の方で書類審査が行われ、民泊運営を行うのに適正かどうかを判断されます。

申請書類が無事通れば日程を調整したうえで物件の立入検査が行われます。

実際に消防設備が揃っていればまず詰まることはありませんので、書類は記入漏れがないように書きましょう。

消防法令適合通知書の交付


立入検査を終わり、設備などに問題がなければ、消防署から適合通知書が交付されます。

これを旅館業法や民泊新法などの許可申請の添付書類として利用します。

事前相談から交付までどれくらい時間がかかる?


申請から適合通知書の取得にかかる期間はおよそ1週間ほどです。

事前相談と消防設備の購入を考慮すると、10日ほどかかります。

もちろん、消防設備の購入を迅速にできれば期間は短縮されます。

許可申請を早く終わらせたい場合はできるだけ早めの行動を心がけましょう。

消防法令適合通知書の交付申請に必要な書類


さて、適合通知書の交付までの流れを知っていただいたところで、次は申請に必要な書類についてお話していきましょう。

流れの話でも節々に出てきましたが、申請書はもちろんのこと、図面などの添付書類も必要になってきますので、あなたの物件の状況や自治体の指示に応じて作成してください。

必要になる書類は以下の通りです。

必ず必要になる書類

  • 消防法令適合通知書交付申請書
  • 案内図(付近見取図)
  • 立面図、各階平面図、設備配置図などの物件に関する図面
自治体や物件の状況によって必要になる書類

  • 工事整備対象設備等着工届出書
  • 消防用設備等設置届出書
  • 防火対象物使用開始届出書

それぞれお読みいただき、交付申請の際に参考にしみてください。

消防法令適合通知書交付申請書

自治体の消防署や消防庁のHPから入手できる、適合通知書の交付申請書です。
これがないと始まりません。
見出しのリンクは旅館業法での許可申請の場合に使用する申請書です。

記入内容は4つで、

  • 申請者の住所、氏名
  • 建物名
  • 建物所在地
  • 申請理由区分

となっています。

申請理由区分は6つありますが、民泊の場合は「旅館業法(昭和23年法律第138号)第3条の規定による営業の許可」を選んでおけば問題ありません。

案内図(周辺見取図)

物件の周辺地域にある施設名や建物名を記載した見取図です。

だいたい300~400mほどの施設・建物を網羅しておけば問題ありません。

ただ、こちらの見取図は雛型がありませんので、ご自身で作成する必要があります。

グーグルマップなどのアプリでは通らない可能性がありますので、手書きで作成するか、ゼンリンの住宅地図の写しに記入して作成するしかありません。

雛型がないという観点からすると、見取図の作成が1番手間がかかるかもしれません。

立面図、各階平面図、設備配置図などの物件に関する図面

建物の状況を知るために必須になる図面です。

不動産会社に貰うか、建築士に作成してもらうことで入手できます。

図面の種類が多いほど消防署側も物件の状況が把握しやすくなり、事前相談や書類審査がスムーズに運びやすくなりますので、最低でも立面図、各階平面図、設備配置図は用意しておきましょう。

工事整備対象設備等着工届出書

こちらは購入した消防設備を設置する工事が着工する際に消防署に提出する書類です。

着工した際なので申請書類を出す前段階で提出するものです。

この書類の提出の有無は各自治体によって異なりますので、詳細はお近くの消防署にお問い合わせください。

消防用設備等設置届出書

上記した消防設備の設置工事が終了した際に届出する書類です。

工事が終了して、消防設備が設置できましたよと報告する目的があります。

こちらも各自治体によって提出の有無が異なりますので、消防署にお問合せください。

防火対象物使用開始届出書

こちらは交付申請の際に提出する書類ではなく、消防設備を使用開始する7日前までに提出する書類です。

消防設備を使い始める7日前、つまり民泊なら開業する7日前であればいつでも提出可能です。

開業の目途が付いたら忘れずに提出しましょう。

交付申請の流れを掴んで、早めに手続きをしましょう


民泊を開業するために必要不可欠な消防法令適合通知書の申請の流れ、提出する書類についてお話してきました。

もう1度、リストアップして確認しておきましょう。

適合通知書交付までの流れ

  • 事前相談
  • 消防署の指導に従って、不足している消防設備を揃える
  • 消防法令適合通知書の交付申請
  • 消防署の書類審査・立入検査
  • 消防法令適合通知書の交付

必要書類

  • 消防法令適合通知書交付申請書
  • 案内図(付近見取図)
  • 立面図、各階平面図、設備配置図などの物件に関する図面
  • 工事整備対象設備等着工届出書
  • 消防用設備等設置届出書
  • 防火対象物使用開始届出書
  • ※提出の有無は各自治体の消防署にお問い合わせください

適合通知書は民泊の許可申請の中でも非常に手間と時間がかかる手続きです。

許可申請の他にもう1つ申請して交付されなければならないわけですからね。

ですので、この手続きはできるだけ早めに行って終わらせてしましましょう。

適合通知書の交付が早いほど民泊の開業が早まりますし、その分収益の発生によって投資額の回収も速くなります。

消防設備の費用がかなり高いので、早期に回収しておきたいところです。

費用が高すぎて、回収しきれるか不安だという方はぜひBCMの申請代行をご利用ください。

弊社には消防設備の協力業者がいますので、通常の費用の半額で消防設備を揃えることができます。

また、民泊の許可申請の代行も並行して行えるため、全ての行程をワンストップでお任せいただけます。

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