今年の東京五輪に向けて、民泊の運営を始める方々が増えてきています。
弊社にもお問い合せが殺到しております。
しかし、旅館業法や民泊新法など、民泊は法令による許可が必要なため、始めるには手間と時間がかかります。
「民泊を始めたいけど、そこまで手間は掛けたくはない」
中にはこのような方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そのような方々には「イベント民泊(イベントホームステイ)」が非常にオススメです。
この運営方法を利用すれば、法令の手続きや許可なく民泊を運営することができます。
この記事ではイベント民泊の申請方法についてお話しています。
東京オリンピックに民泊で収益を上げたい方はぜひ参考にしてみてください。
目次
イベント民泊とは?
まずはイベント民泊と何なのかをお話していきます。
観光庁が公開している「イベント民泊ガイドライン」によりますと、以下のようにあります。
- 年数回程度(1 回当たり 2~3 日程度)のイベント開催時であって、
- 宿泊施設の不足が見込まれることにより、
- 開催地の自治体の要請等により自宅を提供するような公共性の高いもの」について、
- 「旅館業」に該当しないものとして取り扱い、自宅提供者において、旅館業法に基づく営業許可なく、宿泊サービスを提供することを可能とするもの
つまりイベント民泊とは、イベントが開催される地域で行うことができる期間限定の民泊です。
何故、法令の許可なしに運営できるようになるかというと、イベント民泊に反復継続性がないからです。
旅館業の場合、部屋の清掃などで繰り返し部屋を貸すことになりますが、イベント民泊の場合は2~3日程度の期間内での運営となるため、反復的な宿泊はほぼありません。
ですので、イベント民泊は旅館「業」という括りにはならないというわけです。
しかし、イベント開催期間内という話ですが、終わったら強制的に終了ということではなく、前後日にも宿泊させることもできます。
いわゆる「前乗り」やイベント後のゲストの観光もできますので、運営期間は実質5日ほど確保できます。
イベント民泊の申請の流れ
では、肝心のイベント民泊の始め方とは一体どのようなものなのでしょうか。
ここからはイベント民泊の申請方法についてお話ししていきます。
お住まいの地域で募集があった場合に円滑に申請が行えるように解説しますので、読み進めてみてください。
大まかな申請の流れは以下の4つです。
- あなたの物件がイベント民泊に適しているかを確認
- 申込書の提出
- 要請書の発行と運営準備
- 予約受付、イベント民泊営業開始
あなたの物件がイベント民泊に適しているかを確認
まずは前提として、あなたが所有している物件が民泊に適しているかを確認する必要があります。
主な確認事項は以下の5つです。
- 自宅旅行者に貸し出す権限があるか
※賃貸物件の場合は、転貸をしてもいいかを確認 - 旅行者が利用できるシャワー、トイレ、洗面設備等があるか
- 清潔なリネンを提供できるか
- イベント民泊を営業することによって、近隣住民や物件関係者(大家、不動産業者など)に迷惑が掛からないか
- その他、自治体が定める条件を満たしているか
シャワーやトイレ、洗面設備などは人が住んでいる、あるいは以前人が住んでいた物件であれば容易にクリアできると思います。
問題はその物件の管理者や近隣住民との兼ね合いです。
場合によっては大きなトラブルに繋がる場合があるので、必要に応じて近隣住民や大家さんなどの物件関係者と事前相談しましょう。
申込書の提出
事前相談等を経て、イベント民泊の運営が可能な場合、申込書の提出に入ります。
申込書は募集に合わせて各自治体のHPや広報誌などで配布されます。
申込書の記載事項は氏名や住所、物件の所在地や建物のタイプなど難しい事項はないので、手間取ることはありません。
また、その際に提出する前にどのように運営していくのか、構想を練っておくのが好ましいです。
要請書の発行と運営準備
申込書を提出した後、物件がイベント民泊の運営に適していると判断された場合、自治体から要請書が送られてきます。
要請書を受け取り次第、運営の準備を始めていきましょう。
主に3つの準備が必要です。
- イベント民泊に係る留意事項を確認
- イベント民泊の提供者向けの研修会に参加
- 旅行者の受け入れに関する詳細な構想を練る
特にイベント民泊に向けての研修会は必ず受けましょう。
今後も役に立つ民泊の知識が手に入ることが非常に多いからです。
最近ではAirbnbなどのバケーションレンタルサイトと協賛したものが見受けられ、内容も本格的なものになっています。
イベント民泊後も民泊を続けたいという方は参加することをオススメします。
予約受付、イベント民泊営業開始
要請書受理の後、いよいよイベント民泊の予約受付の開始です。
Airbnbなどの民泊サイトを用いて、オンライン予約を募集することになります。
Airbnbなどの登録方法については以下の記事に詳細がありますので、よろしければ併せてご覧ください。
また、予約確定時、チェックイン・チェックアウトの際は宿泊者の氏名、住所、国籍、旅券番号を参照して本人確認するのが望ましいです。
なりすまし防止の他に、器物破損などのトラブルやコロナウイルスのような感染症が発生した際の円滑な解決に繋がるからです。
ご自身が損をしないように、旅行者の情報は保管しておきましょう。
イベント民泊の必要書類
イベント民泊で必要な書類は自治体発行の申込書のみです。
こちらを記入して提出すれば、後は自治体の要請書を待つのみとなります。
許可を得るのではなく、「この物件で民泊をやりますよ」と申請するだけでは始められるので、スピードが非常に早いのも特徴です。
オリンピックで稼ぎたい方はまずイベント民泊から着手していこう
ここまでイベント民泊とは何か、申請の流れや方法についてお話してきました。
イベント民泊はイベントが開催される地域で一定の基準を満たせば申請して始められる民泊形態です。
営業可能な期間が最長5日間ほどしかありませんので長く民泊を続けたい方には無縁のように思えます。
しかし、逆を言えば気軽に民泊運営を体験できる貴重な機会ともいえます。
東京オリンピックが終わっても、東京の宿泊需要は衰えることはないので、民泊で収益を上げたい方はぜひ利用してみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。