開催まで残り8か月と迫った東京オリンピックの影響で、民泊が膨大な宿泊需要の受け皿として注目されています。
不動産投資家様の中には、
「オリンピックまでは賃貸ではなく、民泊で運営してみようかな」
と考えている方もいらっしゃると思います。
しかし、ただ民泊をやるといったところで、自然とゲスト(宿泊客)が集まってくるわけではありません。
民泊で集客を行うにはオンラインの物件掲載サイトに民泊を掲載する必要があります。
その民泊のオンラインサイトで最も有名なのが、Airbnbというバケーションレンタルサイトです。
今や民泊=Airbnbという認識が根付いているため、登録と物件掲載は必須になっています。
しかし、必須といわれてもどのように掲載するのか、掲載するのに何が必要なのか、これから始めようという方には分からないことだらけだと思います。
なのでこの記事では、Airbnbのホスト(物件掲載主)になるために必要な情報と掲載までの手順を丁寧に説明していきます。
最後まで読みながら掲載準備を進めていただければ、
「気づいたら掲載が完了していた!」
という状態になるくらい細かく説明していますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
物件掲載する前に……民泊の許可を取ろう!!
まず民泊を運営するためには、
- 旅館業法
- 特区民泊(旅館業法の特例)
- 住宅宿泊事業法(民泊新法)
の3つのうちの1つを取得する必要があります。
これはAirbnbで物件を掲載するためにも必要なことです。
何故なら、許可を取った際に与えられる許可番号がないとAirbnbに掲載ができないので、集客ができないからです。
なので、Airbnbへの物件掲載の準備を進める前に、まず行政から民泊の許可を取りましょう。
許可を取ったら、掲載準備開始!
許可申請を終わらせてきた方はお疲れ様です。
次のステップ、Airbnbへの物件掲載の準備を始めていきましょう。
記載している順番通りに準備を行っていけば、自然と登録ができるようになっていますので、ぜひ読みながら進めてみてください。
では、やっていきましょう。
1.ホストを始めるをクリック
まずAirbnbにログインしたらトップページの右上にある「ホストを始める」をクリックしましょう。
するとタブで「お部屋を掲載」という項目が出てくるので、クリックして先に進みます。
2.部屋のカテゴリ・建物タイプの入力
「お部屋を掲載」をクリックすると、このような画面が出てきます。
ここからが物件掲載の本番になります。
まずは部屋のカテゴリと建物のタイプを選びます。
基本的な民泊は「マンション・アパート」か「住宅(戸建て)」で経営することになるので、始めたてでどれか分からない人はこの2つの当てはまる方を選ぶのがオススメです。
上記のどちらを選ぶと、次は建物タイプを選ぶことになります。
選択肢は非常に多いですが、日本の大抵の民泊は、
- マンション・アパートなら「マンション&アパート or コンドミニアム」
- 住宅なら「一軒家」
を選んでおけば問題ありません。
コンドミニアムとは、通常のホテルと違い広いリビングとキッチンを有していて、フライパンや包丁などの調理器具が揃っている部屋のことです。
食材を買って調理できる設備が整っているため、パーティ向きの部屋になっています。
自分の物件に適したカテゴリ・建物タイプを選びましょう。
3.さらに詳細を記入していく
カテゴリと建物タイプを選択して次へ進むと、以下の3つの項目を決定することになります。
部屋タイプは?
その部屋が貸切で使っていいタイプなのか、個室と共用部分に分かれているのか、はたまた他のゲストと一緒に寝泊まりをするタイプなのかを選びます。
民泊は基本貸切タイプですが、ゲストハウスやシェアハウスなどの形態ですと選ぶ項目が変わりますので、適した項目を選んでください。
こちらはゲスト専用のお部屋ですか?
ゲスト専用の部屋か、ホスト自身の私物を置いているか否かを選びます。
「戸建てを民泊で貸し出したいけど、物置とかは自分使いたい!」
などの要望があるのならば、「いいえ、こちらに私物も置いています」を選びましょう。
Airbnbへの掲載は会社の業務ですか?
個人でやっているなら特に関係ない項目ですが、法人で民泊をやる際は「はい」を選びましょう。
4.定員・ベッド数を決める
ここでは部屋の定員、ベッドルーム数、ベッド数を入力します。
定員に関しては大抵、ベッドや布団がどれくらい入るかで決まるので、先にベッド数を確定させるのがオススメです。
なので、決めていく順番は、
ベッドルーム数→ベッド数→定員数
という流れになります。
また、ベッドの種類を選ぶ箇所もゲスト(宿泊客)が閲覧するところになっていますので、間違いのないように種類を選択しましょう。
5.所在地の入力
物件の住所を入力します。
番地まで必須項目になっていますが、建物名は任意です。
あとからも入力できますので、先を急ぐ方は次に行きましょう。
6.設置しているアメニティ・設備の入力
設置してあるアメニティにチェックを入れていきます。
記述してあるものは以下の通りです。
「朝食、コーヒー、お茶のサービス」は必須ではありませんが、他の設備は民泊運営において必要なものなので、このリストを参考に揃えていくのも1つの手です。
6.ゲストが使用可能なスペースを入力
ゲストが利用していい場所を選びます。
項目は以下の通りです。
ジムやプール、ジャグジーなどの一般の住宅にはないものはチェックしなくて大丈夫です。
ある場合はチェックしておきましょう。
ここまでで基礎的な設定は終了です。
次からは実際にゲストが閲覧することになるリスティング(物件情報)の記載になります。
掲載準備の中で1番重要な箇所なので、しっかりと記入していきましょう。
リスティングの文章作成
このステップで作成するのは、ゲスト(宿泊客)が部屋を探す際に必ず読むことになるリスティング(物件情報)の編集です。
ここの出来によって物件の収益が左右されるため、一層気合を入れて設定していきましょう!
リスティングの文章作成は、全部で3つ(場合によっては5つ)の段階があります。
- 写真
- 部屋の説明
- リスティングのタイトル
- (プロフィール写真の設定)
- (電話番号の設定)
順番に説明していきましょう。
1.写真
部屋や周辺地域の写真を載せます。
部屋の写真はなるべく色々な角度から撮影することが大事です。
誰が見てもどんな部屋なのかわかるようにしましょう。
コツとしては、玄関から入ってリビングでくつろぐ、トイレやお風呂を使う流れをストーリーっぽく撮影していくことです。
部屋で過ごすときのゲストの視界を意識して撮りましょう。
周辺地域の写真に関しては、主に最寄り駅から物件に着くまでの道のりを説明するものになります。
こちらも歩いているときのゲストの視界を意識して撮っていくのがコツです。
写真はリスティングの顔と言っても過言ではない重要な要素です。
ゲストは必ず写真を見て、いい部屋か悪い部屋かを判断します。
できる限り、キレイで分かりやすい写真を撮りましょう。
また、Airbnbではプロのカメラマンによる撮影の提供もしていますので、依頼するのも1つの手です。
2.「ゲストに向けたお部屋の説明」を記入
写真を設定したら次はリスティングの説明を書いていきます。
㎡数やインテリア、物件へのアクセスや最寄り駅など、ゲストがイメージしやすいように、わかりやすくかつ細かく書きましょう。
なお下の項目は任意のため、書かなくても掲載は可能です。
しかし、こちらもリスティングの価値を決める重要な事項なので、なるべく記入することをオススメします。
あなたのお部屋
主に部屋の様子やどうような設備があるか記述する箇所です。
ここに設備や部屋の雰囲気を書いてあげることでゲストも部屋の様子を想像しやすくなります。
あなたの予約可能状況
ゲストが滞在中、どれくらい宿泊をサポートしてあげられるかを記載します。
近くに住んでいれば駆け付けて対応ができますが、できない場合は民泊の運営代行に業務を委託する必要があります。
周辺エリア
コンビニやスーパーマーケットなど、滞在中にゲストが利用しそうな施設と物件からの所要時間を記載してあげましょう。
特にドン・キホーテが近くにあれば、記載してあげると喜ばれます。
交通機関
最寄り駅までの所要時間、そして最寄り駅から主要な観光地やターミナル駅までの所要時間を記載します。
○○駅から○○駅まで○○分(JR●●線→○○線乗り換え)
など詳しく書いてあげると親切です。
3.リスティングのタイトルを決める
リスティングの顔にもなるタイトルを決めます。
ただ必要な情報を入れてもゲストの目を惹くことはできないので、その部屋を特徴や魅力を精一杯伝えられるようなタイトルを考えましょう。
交通機関や観光地へのアクセスはもちろん、部屋の雰囲気なども伝えられれば完璧です。
これでリスティングの準備は完了です。
魅力的なリスティングは出来上がりましたでしょうか?
出来たなら最後のステップに進みましょう!
予約準備を整える
最後のステップは予約準備です。
このステップで重要なのは、
- ハウスルールの設定
- カレンダーの設定
- 料金設定
の3つになります。
集客に関わる「リスティング作成」と変わって、こちらは直接収益に関わってくる項目なので、頑張って入力していきましょう。
ハウスルールの設定
あなた自身がゲストにしてほしくないことをハウスルールとして設定できます。
既に提案されている項目にチェックを付けていくだけでもいいですが、他にも騒音や土足厳禁などゲストにしてほしくないことがあればあらかじめ追加しておきましょう。
予約カレンダーの設定
予約カレンダーとは、どの日が空いていてどの日が宿泊で埋まっているのかを確認でき、日ごとの料金を確認することもできる便利な機能です。
ホスト(物件掲載主)はもちろん、ゲストも予約の際に確認するところです。
ここで決めなければならないのは以下の4つです。
予約締め切りの設定
ゲストの予約を何日前まで受け付けるかを決めます。
選択肢は、
当日
1日前
2日前
3日前
7日前
の5つの選択肢があります。
どれを選ぶかはご自身の民泊運営のスタイルによりますが、収益を上げていきたい方は当日まで予約を受け付けられる設定にしておきましょう。
当日滑り込みで予約したいというゲストを獲得しやすくなり、機会損失が少なくなります。
チェックイン時間帯
ゲストがチェックイン可能になる時間、チェックアウトしなければならない時間を設定します。
こちらは主に清掃の時間に関与してくる項目です。
ご自身の所要清掃時間、または清掃代行の清掃時間によって時間帯を決めていくのがオススメです。
予約の受付期間
今日から何か月先まで予約を受け付けるかを決めます。
選択肢は、
いつでも
3か月前まで
6か月前
9か月前
1年間
すべてブロックする
の6つです。
こちらはどれくらいあなたが民泊を運営していくかに影響します。
例えば、東京オリンピックでの宿泊需要に応えるために民泊をやるのに、予約の受付期間を1年に設定してしまったら、止めるに止められない状況になってしまうかもしれません。
オリンピックが終わっているのに、11月に予約入ってしまう場合があるからです。
なので、受付期間はご自身の運営期間と相談して決めていきましょう。
また、民泊の準備ができていない状態でリスティングを先に作った場合は、「すべてブロックする」で予約が入らない状態にできます。
宿泊可能日数(何泊から何泊までか)
その民泊が何泊から宿泊できるのかを設定します。
基本的には1泊から泊まれる民泊にしておくのが理想ですが、大田区や大阪市が行っている「特区民泊」では宿泊可能日数が2泊3日からと定められているため、特区民泊で始めた際はここで設定しておきましょう。
以上、4つの項目について解説しました。
この4つに関しては、ゲストのことを考えるよりかはあなたが運営しやすいような設定にした方がいいです。
収益を上げるために無理な設定をして、結果長続きしなくなってしまっては意味がないからです。
とはいえ、民泊を運営したことがない方はまだ勘が分からないと思うので、実際に運用しながら調節していくのも1つの手です。
ここに関しては後から設定を変えられますからね。
料金設定
さて、カレンダーを設定したら次は料金に関する設定です。
ここでは主に、
- 基本料金
- 最低料金
- 最高料金
の3つを設定していきます。
これらはスマートプライシングという機能の料金設定に反映されます。
スマートプライシングとはAirbnb独自の機能で、周辺地域の相場や宿泊需要によって自動に料金を設定してくれる優れものです。
手間を削減できる反面、機械的で収益が上がりにくい設定をしてしまう場合もあります。
ですが、初心者のうちは相場や需要がわからないという方が多いと思いますので、積極的に使っていきましょう。
許可番号の登録
すべての項目を記入すると上記のような画面になります。
ならない場合はあなたがお住まいの住所と民泊物件の住所が離れすぎている可能性があるので、1度間違いがないか確認してみてください。
こちらの画面が出たら、「リスティングを登録する」から許可番号を入力します。
こちらの行程をクリアしないとリスティングを掲載することができません。
なので、必ず許可を取ってからリスティングの作成することを強くオススメします。
晴れてAirbnbホストデビュー!!
長い行程でしたがお疲れ様でした。
ここまでの記入を終わらせれば、あなたは立派なAirbnbホストです。
あなたの建てたマンション、あなたが持っている一軒家でゲストを集客をすることができるようになります。
集客ができるようになって始めて、民泊で行った投資額が戻ってくるため、これらの作業はなるべく早めに終わらせておきましょう。
早ければ早いほど、回収が早くなります。
そして何よりも、きちんと民泊の許可取った合法民泊の運営をしましょう。
Airbnbへの掲載ができないのはもちろんのこと、もし許可を取らず運営していたことが明らかになったときには、
6か月以下の懲役、または100万円以下の罰金
という刑罰が課せられます。
リスティングも削除され、投資額の回収が夢のまた夢になってしまうので、必ず許可を取るようにしましょう。