民泊の法律

民泊運営の難易度が下がった!200㎡以下は旅館業法!

2019年12月24日

民泊を運営するためには3つある法律の中のいずれかに適応しなくてはなりません。

  • 住宅宿泊事業法(民泊新法)
  • 旅館業法
  • 特区民泊

この中で、もっとも収益が上がる一方、最も法適応の難易度が高いといわれているのが本記事でご紹介する旅館業法です。

特区民泊は地域限定のものなので、ほとんどの方が旅館業法か民泊新法で民泊を始めることになるでしょう。

旅館業法は難易度が高い分、新法のように日数制限がなく収益が上がりやすい法律になっています。

その問題となる難易度に関して、実は2018年6月の法改正によって物件次第ですがかなり難易度が下がったのをご存知でしたでしょうか?

ご存知でない方ももちろんいらっしゃるでしょう。

そこでこの記事では、旅館業法を検討するにあたって改正内容や必要な要素や注意点を実際に旅館業法で運営している物件を例にお伝えします。

そもそも旅館業法とはどのような法律なのか? 民泊で利用する2種類を紹介

旅館業法は、「宿泊料を受けて人を宿泊させる営業」について定めた法律のことです。

本来は、旅館やホテル営業を行うための法律になっていますが、基準を満たしさえすれば民泊にも応用できる法律になっています。

通常の旅館やホテル営業を許可するための法律になっているため、フロントの設置や施設の面積基準、消防設備などの基準が新法や特区民泊よりも厳しくなっているのが特徴です。

旅館業法では宿泊施設が4つの区分に分類されており、以下のように定められています。

  • ホテル営業・・・洋式の構造及び設備を主とする施設を設けてする営業である。
  • 旅館営業・・・和式の構造及び設備を主とする施設を設けてする営業である。いわゆる駅前旅館、温泉旅館、観光旅館の他、割烹旅館が含まれる。民宿も該当することがある。
  • 簡易宿所営業・・・宿泊する場所を多数人で共用する構造及び設備を設けてする営業である。例えばベッドハウス、山小屋、スキー小屋、ユースホステルの他カプセルホテルが該当する。
  • 下宿営業・・・1月以上の期間を単位として宿泊させる営業である。

引用元:厚生労働省

これらのうち民泊で利用しうるものは

  • ホテル営業
  • 旅館営業
  • 簡易宿所営業

の3種類になります。

法改正で手続きの難易度はどのくらいさがったのか?


適応難易度がもっとも高かった旅館業法ですが、2018年6月に法改正がありました。

これにより、物件によってはかなり法律の基準が下がり旅館業法の適応難易度が軽減されたといえます。

基準がさがったポイントは具体的に2つあり、

  1. 耐火設備の緩和
  2. 200㎡以下の建築転用手続が不要に

となっています。

とはいえこの情報だけだとピンと来ない方も多いと思います。

そこでここから、法律の手続きにどう影響を与え、どのくらいの手間が省けるようになったのかお話していきます。

それぞれ見ていきましょう。

耐火設備の緩和

まず一つ目の要素がこちらです。

物件の耐火設備が緩和されました。

どういうことのなのか?というと、これまでは「住宅」を「旅館」に用途変更する際に、物件を耐火構造にする必要があり工事が必須でした。

これが2019年の改正により

延べ面積が200㎡未満の戸建住宅等であれば、旅館・ホテル営業を行う場合でも耐火構造にする必要がなくなりました。

以前は住宅を旅館にするためには壁や扉、窓を必ず耐火構造にしなくてはならなかったので改修工事の必要があり、かなり費用がかかりました。

それが、200㎡未満の物件について改修工事が不要になりました。

民泊を始めるための初期費用が大幅に削減された、ともいえますので運営側としてはかなり大きなポイントといえます。

続いて、もう一つの改正要素である「用途変更」について説明します。

200㎡以下の場合、用途変更届の確認申請が不要に。

こちらがもう一つの改正点になります。

今までは

100㎡未満の物件に関しては用途変更の建築確認手続きが不要

だったのが、改正により

200㎡未満の物件に関しては用途変更の建築確認手続きが不要

という内容に変更されました。

手続きが不要な広さが増えたのはすぐにわかります。

ですがそもそも用途変更の建築確認手続きとはなんなのか、不動産関係の方でないとわからなくても無理はありません。

簡単に説明致します。

用途変更の確認手続きとは、用途変更の基準を満たした際に自治体が物件を見に来る確認作業のことです。

その確認作業では、実際に自治体の民泊担当の方が物件を内見して確認するものなのでした。

これがアポイントが必要な工程でしたので、かなり時間のかかる作業でした。

それが今回の改正で、このような確認が不要な物件の幅が広がったのです。

つまり、以前100㎡未満の一件や小型のマンション程度の物件に確認が不要だったのと同様に、
今では200㎡未満の中型マンションなどでも適応されなくなりました。

このように、大きな物件でも旅館業法の適応がしやすくなったといえます。

必ず押さえておきたい、法手続きの主要要素4つ


次に、旅館業法の手続きをする上で重要になる4つの要素についてご説明致します。

申請方法

一つ目が申請方法になります。

旅館業法で民泊を行う場合、旅館業を経営する「許可」を都道府県知事から受けなくてはなりません。

「許可」という形になっているため、本来禁止されている「お金をもらって人を泊める」ことを合法化する法律になっています。

本来禁止されている行為に関して許可をもらう形になっているため、「届出」をするだけで運営が可能になる新法や「認定」になる特区民泊よりもハードルが高くなっています。

加えて、旅館業法では、消防設備や建築基準が旅館やホテルと同等出なくてはならないため、住居のまま民泊運営ができる新法よりも難易度が高くなっています。

フロントの設置義務

2つ目の重要な基準がフロント設置の有無についてです。

旅館業法では、フロント設置の規定が定められています。

普段皆さんが旅館を利用するときに、まず玄関口にあるフロントで宿泊手続きを行いますよね。

旅館業法で民泊を行う場合も、基準が旅館と同じになるためフロントが基本的に必要になることを押さえておいて下さい。

ただし、例外があります。

簡易宿所営業の場合、

  • 収容定員が10人未満以下の物件
  • 条例による上乗せ規制がない

加えて以下の要件を満たしている場合にかぎり、フロントの設備は不要になっています。

  • 要件1
  • 玄関帳場などに代替する機能を有する設備を設けること。その他善良の風俗の保持を図るための措置が講じられていること。

  • 要件2
  • 事故が発生したとき、その他の緊急時における迅速な対応のための体制が整備されていること。

つまり、

  • 旅館業として運営する場合は必ずフロントが必要
  • 簡易宿所営業をする場合には自治体に依ってフロント設置の義務が異なる

ことになります。

今の用途が旅館以外の物件だと必須の用途変更

旅館業法の許可を取るためには、建物の用途を変更しなくてはいけません。

「建物の用途」とは、建築物の使い方を指す言葉になっています。

これは建築基準法に基づいて決められている建物の規定のことで、建築物が建つときにどんな建物にでも用途が定めらることになっています。

新法で民泊を行う場合、建物の用途は「住居」の状態で運営することが可能です。

一方、旅館業法は対象とする物件が「旅館」という用途でなくてはなりません

「旅館」でない場合には用途を変更する手続きをしてからでないと、民泊営業をすることができません。

たとえば1棟マンションをそのまま旅館業法で民泊にする場合には、その建物を「共同住宅」から「旅館」に変更しなくてはいけないわけです。

この用途を変更する際に、場合によっては物件の改修工事が必要になる場合があります。

用途変更届については建築基準法という法律が絡んで来るので少し複雑になってきます。

建築基準法
第2条 この法律において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

2 特殊建築物 学校(専修学校及び各種学校を含む。以下同様とする。)、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、市場、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、旅館、共同住宅、寄宿舎、下宿、工場、倉庫、自動車車庫、危険物の貯蔵場、と畜場、火葬場、汚物処理場その他これらに類する用途に供する建築物をいう。

引用元:建築基準法

建物を建築するうえで最も基本となる法律で、建物の用途によって「一般建築物」「特殊建築物」の2つに建築基準が別れています。

旅館・ホテル営業、簡易宿所営業を行う施設は、建築基準法上は「特殊建築物扱い」になります。

一般建築物である一般住宅扱いになる民泊新法(住宅宿泊事業法)や特区民泊よりも厳しい建築基準になっています。
この特殊建築物の建築基準を満たしていなければ旅館業での民泊運営は不可能になります。

消防設備

最後に、消防設備についてです。

旅館や簡易宿所として運営をするための消防施設では通常の家屋よりもかなり基準の高い消防設備が必要になります。

例えば、物件の部屋数、広さに合わせた

  • 火災報知器の設置
  • 緊急時誘導灯の設置
  • 物件全体の火災報知器の管理装置

などが必要になります。

これらのうち、「現在の物件にどの設備が必要なのか」知るためには、消防署に行って相談を受ける必要があります。

詳しくはこちらの記事に書いてあるので、消防法の適応について詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてみて下さい。

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旅館業法にかかる初期費用について


さて、ここでは皆さん気になるであろう旅館業法の初期費用についてお話致します。

旅館業法で初期費用がかかるポイントは以下のポイントがあげられます

  • 物件の設営費用
  • 消防設備費用
  • 許可申請費用

それぞれ簡単に説明しましょう。

物件の設営費用

物件の設営費用は、

  • 家具 (ベッドなど)
  • 家電(冷蔵庫や湯沸かし機など)
  • wifi
  • 物件のルール

などにかかってきます。

例えば150㎡の面積で20㎡の部屋が5つある物件でかかる費用を考えてみましょう

20㎡というと1部屋にダブルベッドを2つおいて3人~4人くらいが泊まれる物件になります。

設営費用はベッド、冷蔵庫、wifiなど込々で1部屋でだいたい30万円程度になるので合計で150万円程度を見込んでおくことになります。

消防設備費用

続いて消防設備費用についてです。

消防設備は

  • 火災報知器
  • 火災報知器総括システム
  • 緊急時誘導灯(非常口の誘導灯)
  • その他配線類

にかかってきます。

同様に150㎡の面積だと、100万円程度の金額がかかると考えていいでしょう。

許可申請費用

最後に許可申請費用についてです。

許可申請費用は、申請書類を提出する際に必要な料金になります。

許可申請費用はどの自治体でも大体15万円程度になります。

これは新法の許可申請費用と比べてもほとんど差額がありません。

以上3項目が主に初期費用のかかるポイントになります。

20㎡の部屋が5部屋ある150㎡くらいの物件だと270万円程度が初期費用としてかかることになります。

(あくまで初期費用の目安ですので、ご自身の物件でどのくらいの初期費用が必要になるか、詳しく知りたい方はお問い合わせ下さい。お見積り致します。)

旅館業法の運営事例

最後に旅館業法で実際に弊社が運営している物件についてご紹介致します。

事例その1【東京都池袋駅徒歩8分の物件】

物件情報:

部屋数・・・13部屋+1部屋(フロント)

1部屋平均面積・・・30㎡(内訳:25㎡~45㎡)

1部屋の平均宿泊者数:2-8人 

こちらの物件は、賃貸として運営している際、1棟で140万円くらいの物件でした。

そちらを弊社の方で引き受け旅館業として運営を行った結果、売り上げとして年平均340万円、最高額で年間400万円を売り上げる民泊になりました。

実際の収支としましては、以下のようになっています。

売上:340 万円
収支:220万円
賃貸との収益比:約1.6倍

こちらの物件は初期費用が350万円かかりましたので、初期費用が約1年半回収できた投資案件となりました。

続いて東京都江東区で運営した旅館業物件についてご紹介します。

事例その2【東京都江東区、両国駅ー森下駅間の物件】

こちらも先ほどと同様に旅館業法で運営している物件になります。

物件情報:

部屋数・・・10部屋+フロント

1部屋の平均面積・・・11㎡

1部屋の平均宿泊者数:2人 

こちらの物件は11㎡(6畳)で10部屋運営している旅館になります。

周辺相場から間あえて1棟で家賃60万円程度のこちらの物件を旅館業として運営した結果売り上げ、収支は以下のようになっています。

売上:300万円
収支:180万円
賃貸との収益比:約3倍

賃貸だと6畳という部屋のサイズの関係から、1棟で60万円、1部屋で家賃平均が6万円程度にしかならかった本物件でしたが、旅館だと需要が急増。

収支として賃貸の3倍をたたき出す物件にすることができました。

こちらの物件の初期費用が200万円程度になりましたので、1年2か月程度で初期費用を回収できる物件になります。

旅館業法まとめ、200㎡以下の運営が容易に!

旅館業法は新法のような180日制限にとらわれずに年中運営ができる法律になります。

その分新法よりも法適応の難易度が少し高いのでした。

ただし。2019年6月の法改正によち200㎡以下の物件は法律の基準が各段に下がったため、かなり今注目すべきものになっています。

旅館業法を検討するにあたって

・用途地域
・フロント接地の有無
・用途変更

などが注意すべき点になります。

これらと初期費用やその回収期間を考慮に入れ、旅館業法に適応するか否かを検討してみて下さい。

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